コンピューター vs. 人間の将棋対局を見てきました。
コンピューター陣営は"激指"、"GPS将棋"、"Bonanza"、"YSS"の連合である「あから2010」、人間は清水市代女流王将。
自分そんなに将棋に詳しいわけではないのですが、とにかくコンピューターの圧勝。
始まってしばらくの間は競り合っていたんですが、あから2010がなんかラディカルな攻撃を連打。清水王将も応戦するものの、そのまま一方的に崩されて投了となりました。
| 10/12 追記
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あから2010の棋譜とログが公開されました。
| ついでに、友人と共に作った棋譜も載せておきます。間違いがあってもご容赦。
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あから2010vs清水市代女流王将の棋譜 (UTF-8)ぶっちゃけあっけないほどの実力差だったように見えましたが、以前Bonanzaが渡辺竜王といい勝負をしていたことを考えれば
渡辺竜王 > 清水王将
あから2010 > 以前のBonanza
はおそらく間違いないので、それほど予想外というわけでもない。
なにかと人間の能力やコンピュータの性能に話が行ってしまいがちですが、人間の脳とノイマン型コンピュータでは情報処理のやり方が全く違うので同じ種目で戦うのって意味あんのかな・・・と思ったりしなくもない。
少なくとも、人間がノイマン型コンピュータ上のソフトウェアに負けたからって別に人間と将棋がどうということはなく、ヒューリスティック関数や探索のアルゴリズムがよく出来た&コンピュータが速くなったということが示されるだけです。
おそらくコンピュータの性能はまだまだ伸び続けるので、そのうち人間は太刀打ちできなくなるんじゃあなかろうか。
でもエネルギー効率で言えば生物の組織は圧倒的に省エネ・・・あ、なんか話が逸れてきたね。
んで。
将棋なんてのは人間とノイマン型コンピュータ(いちいちノイマンつけるのは、そのうち脳型コンピュータができるんじゃないかという可能性を考慮してです)では圧倒的に人間の脳の得意分野です。
そこで人間のトップとコンピュータのトップが勝負をするような時代になったということは、人間けっこう追い詰められてるということでもあります。
まだまだ人間には出来てコンピュータには出来ない分野はたくさんありますが、それもだんだんコンピュータに勝てなくなったらどうしよう・・・というのが正直不安だったりします。特に脳型の処理系統をもつコンピュータが作れるとしたら、人間は完全敗北するかもしれません。(そんなことにはならないと私は思いますが。)
その頃人間はどう生きているんでしょう。火の鳥未来編の世界は案外遠くないのかもしれません。
だから、大事なのは。
コンピュータと人間との比較を通して、人間の能力を再認識することじゃないかなと思うのです。
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・人間一人に対してソフト4つは1対4で不公平だという意見もあるかもしれませんが、これはいくぶんナンセンスです。4つのソフトの中身ををまとめて再編して一つのソフトにしてしまえば1対1になります。
というかソフトウェアはビルドして完成したものなら数えられますが、その実体は不可算です。一つのソフトを分解して複数にしたり、複数のソフトをまとめて一つにしたりは簡単にできるので、そもそも人間と数を比較するなんてのが無理な話です。
・「あから」は大方広仏華厳経という仏教の経典かなんかに載っている数「阿伽羅」のことで、10の224乗だそうです。そんなデカイ数まで名前決めとかんでもええやん・・・と思ったアナタ、まだ甘い。
先は長いですぞ。
・こんな事を思ったのは自分だけでしょうが、「あから2010」と聞いて
TAMALA2010を思い出しました。
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