PKはキーパーを見るなという話をしましたが、思えば同じことが日夜身の回りでも起きています。
まずキーパーを見ないほうがゴールを決めやすい(遠藤は除く)理由は何かと言うと、キーパーを気にするとキーパーのほうorキーパーから遠すぎるほうに蹴ってしまうからだと思います。
人間は何かを注視するとそこに関心が向き、自分がボールを蹴るにしてもその「関心が向いている方向」に無意識に蹴ってしまうのわけです。また、キーパーに止められないように蹴ろうと思っても「キーパーのちょっと横」にフォーカスするのは難しく、注視がキーパーに吸い寄せられてしまうわけです。
では注視がキーパーに吸い寄せられないようにするにはどうすればいいかというと、キーパーから離れた位置を見るしかありません。しかしそうするとゴール枠を外してしまうわけです。
さてこれはPKに限ったことではなく、身近に同じことが起きているということに気づきました。
何かというと、交通です。
見通しの悪いカーブや交差点で歩行者や自転車とエンカウントすることは日常茶飯事ですが、たいていの場合人はうまく避けられない・・・どころかこっちに向かってくることが多いのです。
これは単に「避けるのが下手」ということではなく、PKと同じことが言える気がします。
まず、前のほうから回避するべき何かが来る。回避するには「何か」の位置や速度が分かっていないといけないため、「何か」のほうを注視しないといけない。しかし人間は注視した方に体がいってしまうので、具体的な回避行動に移るまでの間※は「何か」のほうに向かっていってしまう。
と、いうわけです。
※事態が起きたとき人間は「認知・判断・行動」という3ステップを踏みます。このうち「認知」と「判断」をしている時間帯は「何か」のほうに向かって動いてしまうわけです。
特に「小さい子供が道路を渡ろうとしたら自転車が来た」なんて場合、「お前そこが一番危ない場所なんだってば」という位置で驚いて硬直してしまうことがよくあります。
自分は自転車通学歴が長いので認知と判断を瞬時に行ってイメージ通り回避行動をとる位は朝飯前(PKでいう遠藤)なんですが、多くの人はそう上手くはいかないんですね。
というわけで。
乗り物を運転するときは「人は危険を回避しない」くらいに思っておくことが交通安全のためには必要なんじゃないかなと思うのです。
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